みなさん、こんにちは。 普段はトラックでプロパンガスの配送をしている配送員です。
今まさに、家のどこかで「ウーウー!」「火事です!」という警報音が鳴り響いて、焦ってこのページを開いた方もいるかもしれません。 心臓が止まるほどびっくりしますよね。
焦る気持ちはわかりますが、まずは現役配送員としての「結論」から言わせてください。 落ち着いて、以下のチェックをしてください。
【結論】火の気がなければ、「誤作動」の可能性大
「今、台所で火を使っていない」 「明らかにガス臭いわけではない」
もしそうなら、その音の正体はガス漏れではなく、身近なものの成分にセンサーが反応した「誤作動」である可能性が非常に高いです。
まずは落ち着いて、状況を確認しましょう。
【緊急3秒チェック】今、鳴っているのはどっち?
実は、鳴っている「音」によって、あなたが今すべき行動は180度変わります。
耳を澄まして確認してください。
| 音の種類・音声 | 警報器の種類 | 原因と対策 |
| 「火事です!火事です!」 | 火災警報器 | 煙や熱に反応しています。火がなければ「故障」か「煙(湯気)」です。「停止ボタン」を押せば止まります。 |
| 「ガスが漏れていませんか?」 | ガス警報器 | この記事を読み進めてください。 換気が必要です。 |
| 「ピーピーピー」 | ガス警報器 | ガス漏れのほか、「期限切れ(故障)」の可能性もあります。後述の対策を! |
配送員は知っている!誤作動を引き起こす「真犯人」リスト
自分たち配送員が現場に駆けつけると、実はガス漏れではなく「これ」が原因だったというケースがほとんどです。
- 殺虫剤(ゴキブリ退治など): 噴射した霧がセンサーに直接かかると即座に鳴ります。
- ヘアスプレー・制汗スプレー: プロパンガスの警報器は足元(床から30cm以内)にあるため、成分が下に溜まって反応します。
- アルコール消毒・料理酒の湯気: お酒を大量に使った料理や、近くでの手指消毒もセンサーは「ガス」と勘違いします。
【対策】 センサーに新鮮な空気を当ててあげれば、自動的に「異常なし」と判断して音は止まります。
【重要】プロパンガスと都市ガスでは「逃がし方」が違う
| 項目 | プロパンガス (LPガス) | 都市ガス |
| ガスの重さ | 空気より重い(下にたまる) | 空気より軽い(上にたまる) |
| 警報器の位置 | 床から30cm以内 | 天井付近 |
| 換気のコツ | 掃き出し窓を開けて扇ぎ出す | 上の窓を開けて逃がす |
もし「ガス臭い」と感じた場合、ガスの種類によって溜まる場所が異なります。自分の家がどちらか確認して、正しく換気してください。
■ プロパンガス(LPガス):床にたまる 空気より重いため、水のように床にたまります。
- NG: 上の窓だけ開ける(ガスが出ていきません)。
- OK: 掃き出し窓や玄関を開け、床の空気を外へ「掃き出す」ように扇ぐ。
■ 都市ガス:天井にたまる 空気より軽いため、天井付近にたまります。
- OK: 高い位置にある窓を大きく開けて、外へ逃がす。
(重要)プロの鉄則:電気のスイッチには絶対に触らない!
ここで絶対に覚えておいてほしいことがあります。 ドラマや漫画のように、「ガスだ!換気扇を回せ!」と換気扇のスイッチをカチッと押すのは絶対にNGです。
スイッチを押した瞬間、内部で小さな火花(スパーク)が飛び、もしガスが充満していたら引火して「ドカン!」となる恐れがあるからです。
「電気のON/OFFは一切せず、窓の開放だけで換気する」。これを徹底してください。
鳴り止まない時は「有効期限」を確認
スプレーも使っていないのに鳴り止まない場合、警報器の「寿命(有効期限)」を確認してください。
ガス警報器の寿命は通常5年です。 期限が過ぎたセンサーは感度が不安定になり、何でもない時に鳴り出す「故障」が多発します。
本体の側面や底面に貼ってあるシールを確認し、期限が切れていたらすぐにガス会社へ連絡して交換しましょう。 もちろん、原因がわからなくて不安な時も、遠慮なくガス会社に電話してくださいね。
【体験談】「火事です!」と鳴り響く警報音
これは、ある日自分がいつものようにガスの交換作業をしていた時の話です。
どこからか、「火事です、火事です」という機械の音声と、警報音が聞こえてきました。 あたりを見回しても煙は出ていない。「あれ?誤作動かな?」と思いながら作業を続けていました。
交換が終わった頃、隣に住むお客さんのAさんが心配そうな顔で家から出てきました。 「ねえ、ずっと鳴ってるのよ…」
音がしているのは、Aさんの家の2軒隣、Cさんのお宅でした。 自分はこのエリアの担当が長いので、AさんもCさんもよく知っているお客さんです。Cさんは高齢の男性と息子さんの2人暮らしなのですが、その時間、息子さんは仕事で不在だということも分かっていました。
Aさんが「心配だから見てきてくれない?」と言うので、自分はすぐにCさんの家へ向かいました。
普通なら他人の敷地に勝手に入るのは気が引けますが、自分たち配送員はいつも「ガスの配送でーす!」と声をかけて敷地に入らせてもらっています。 こういう時、顔見知りの「ガス屋さん」というのは役に立つものです。
玄関先まで行くと、家の中からテレビの大音量が聞こえてきました。 Cさんは少し耳が遠いんです。
声をかけて外から中を確認させてもらうと、Cさんはソファーに座ってテレビに夢中。 なんと、自分の家で警報器が鳴り響いていることに全く気づいていなかったんです。
結局、火事ではなく機器の誤作動だったのですが、「高齢の方は警報音に気づかないことがある」という現実にヒヤッとした出来事でした。何もなくて安心したけど、聞こえていないのは怖いなと思いました。
だから、高齢のご家族がいる方は、音が大きい警報機や光るタイプも検討してみてください。
もし近所で警報音が鳴り続けていたら、自分たちのように「ガス屋です!」と声をかけることは難しくても、ちょっと気にかけてあげてください。 それが誤作動でも火事でも、早期発見に繋がります。人のつながりって温かいなと思った出来事でした。
まとめ:命を守るために
警報器は、あなたの命を守る「最後の砦」です。 鳴った瞬間に「うるさいな、誤作動だろ」とコンセントを抜くのだけは絶対にやめてください。
- まずは「火事です(火災警報)」か「ガス漏れ(ガス警報)」かを確認。
- ガス警報の場合、火の気がなければ9割は誤作動(スプレーや湯気)。
- まずは窓を全開にして、うちわでセンサー周辺や床付近を扇ぐ。
- ガス臭くても、換気扇や電気スイッチには絶対に触らない。
- プロパンガスは重いので、床の空気を外へ押し出す。
- もし「臭いが消えない」「音が止まらない」という場合は、迷わずガス会社に電話してください。
自分たち配送員は、たとえ誤作動であっても「何もなくてよかった」と笑って駆けつけます。それが仕事ですから。 この記事を読んだあなたが、正しい知識を持って冷静に行動してくれることを願っています。
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