はじめまして! 毎日トラックでプロパンガスを配送している現役のプロパンガス配送員です。
今日はちょっとだけ、真面目に「本業」の話をさせてください。
みなさん、プロパンガスってどんなイメージですか? おそらく、9割くらいの人がこう思うはずです。
「高い!!」
はい、その通りです。配送中にお客さんから直接言われることも多く、自分も「そうですよね…」と心苦しくなることがあります。
ですが、配送の現場にいるからこそ、胸を張ってお伝えしたい「結論」があります。
【結論】高い理由は「人の手」と「災害への備え」です
正直に言います。料金だけで比べれば、都市ガスには勝てません。 それでもプロパンガスが選ばれ続けている理由は、以下の2点にあります。
- なぜ高いのか?(コストの正体) 都市ガスのように勝手に流れてくるのではなく、私たち配送員が「一本一本、手作業で運んで点検しているから」です。この人件費(配送コスト)が含まれています。
- 最大のメリット(価格以上の価値) 地震などの災害時、水道や電気が止まっても、「プロパンガスだけはすぐに使える(復旧が早い)」という最強の強みがあります。
つまり、毎月のガス代は「いざという時のための保険料」でもあるんです。 なぜそこまで言い切れるのか、現場の配送員が見た「料金の内訳」と「震災時の真実」を包み隠さずお話しします。
正直に言います。自分たちが運んでいるのは「ガス」だけじゃないんです
まずは、皆さんが一番納得いかないであろう「料金」の話からさせてください。
「都市ガスより高い!」と言われますが、これには明確な理由があります。
都市ガスは、一度地面の中のパイプを繋げば、あとは自動でガスが流れてきます。極端な話、放っておいても届くんです。
でも、プロパンガスは違います。 私たち配送員がトラックを運転して、お客さんの家の軒先まで行き、一本だいたい40kgから60kgもある重いボンベを、自分の肩で担いで運んだり、約90kgのボンベを抱っこして運んだりしています。 雨の日も、風の日も、今日のような寒い日も、一本一本手作業で交換しているんです。
そして交換するたびに、「ガス漏れはないか?」「設備は古くなっていないか?」と、人の目でしっかり点検をしています。
つまり、プロパンガスの料金には、ガスそのものの代金だけでなく、「確実に、安全に届けるための人件費(配送コスト)」が含まれているんです。
ちょっとアナログで非効率に見えるかもしれませんが、この「人の手」が介在しているからこそ、次に話す「災害時の強さ」に繋がっているんです。
都市ガスとの決定的な違い。「軒先在庫」の強み
では、なぜ高くてもプロパンガスが必要とされるのか? それは「災害時の復旧スピード」が圧倒的に違うからです。
- 都市ガス(弱いところ): 地面の中の長いパイプで繋がっています。地震で一箇所でも破損すると、地域全体でガスが止まります。復旧させるには地中を掘り返して直さなければならず、何週間もかかることがあります。
- プロパンガス(強いところ): 「軒先在庫(分散型エネルギー)」と呼ばれています。お家の横にあるボンベの中に、常にエネルギーがたっぷりと蓄えられています。
もし地震でガスが止まっても、私たち配送員が駆けつけて、その家のボンベと配管の安全確認さえできれば、その場ですぐに使えるようになります。
【実話】震災で都市ガスが止まった時、どうなったか
これは、自分が所属する会社の、別の営業所で実際にあった話です。
あの東日本大震災の時、被害が大きかった地域では、電気も水道も、そして都市ガスも止まってしまいました。 ライフラインが断たれた極寒の中、「お風呂に入れない」「温かいご飯が食べられない」というのは、想像を絶する辛さです。
そんな中、いち早く復旧できたのがプロパンガスでした。 私たちの仲間は、地震の直後から一軒一軒お客さんの家を回り、安全確認をして回りました。 そして、「異常なし!使えますよ!」と伝えて、コンロの火がついた瞬間。
「温かいお湯が沸かせる」 「温かい食事が作れる」
たったそれだけのことが、どれだけ被災された方の心の支えになったか。 当時、都市ガスがなかなか復旧しないエリアの方々から、「プロパンガスに切り替えたい」という問い合わせが殺到したそうです。
普段は「高い」と言われがちなプロパンガスですが、この時ばかりは「命をつなぐエネルギー」として、多くの人を助けることができました。 この経験があるからこそ、私たちは誇りを持って重いボンベを運んでいるんです。
まとめ
正直、プロパンガスは「料金」だけを見れば、都市ガスやオール電化に比べて高いかもしれません。 ですが、今回お話ししたように、「災害時の最強の保険」という側面も持っています。
日本は地震大国です。いつどこで災害が起きてもおかしくありません。
もちろん、適正なコスト以上に利益を乗せすぎている業者も中にはいます。 でも、まっとうなガス屋が高いのは、『24時間の安全と、災害時の保険』を売っているからなんです。
請求書を見た時に、「高いな…」と思う気持ちの後に、ほんの少しだけでいいので『これはただのガス代じゃない。災害への備え代も入っているんだ』と思ってもらえれば、配送員としてこれほど嬉しいことはありません。
私たち配送員は、明日も皆さんの家の横にあるボンベを守るために、安全運転で走り回ります。
この記事は、配送コストや設備の仕組みを知っていただくためのものです。実際の料金設定については、お住まいの地域のガス会社さんとの契約内容を必ず確認してくださいね。

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