みなさん、こんにちは。 普段はトラックでプロパンガスの配送をしている配送員です。
日本に住んでいる以上、避けて通れないのが「地震」です。 テレビで地震のニュースを見るたびに、こんな不安を感じたことはありませんか?
「プロパンガスのボンベって、倒れたら爆発するんじゃないの?」 「映画みたいにドカン!となるのが怖い…」
やっぱり皆さん、心配なんですよね。 でも、毎日あのボンベを運んでいる自分からすると、実は「ある理由」があって、そこまで心配していません。
今日は、現役配送員だからこそ知っている「プロパンガスの意外な頑丈さ」と、地震が起きた時に「火を消すよりも先に逃げてほしい理由」をお話しします。
【結論】「ボンベが爆発」は、めったに起きません
配送まず結論から言うと、プロパンガスのボンベが映画のように「衝撃でドカン!」と爆発することは、通常ではまずありえません。
なぜなら、あのボンベは「鉄の塊」だからです。
自分たち配送員は、空っぽのボンベでも20kgから40kgぐらいある鉄の容器を扱っています。 この容器は、法律で厳しく決められた「超・高耐久」の設計で作られていて、ちょっとやそっと倒れたくらいではビクともしません。トラックから落としても割れないくらい頑丈です。
万が一、火事になってボンベが高温で炙られたとしても、「安全弁」という装置が働いて、ガスを少しずつ逃がして爆発を防ぐ仕組みになっています。 ですので、「地震で倒れた=即大爆発」というイメージは、一度忘れてしまって大丈夫です。
だから自分はお客さんにいつもこう言ってます。
「ボンベのこと気にしないで自分の身を守ってください。」
昔の常識「グラッときたら火を消せ」は間違い?
昔、学校の避難訓練で「地震だ!まずはコンロの火を消せ!」と教わった記憶はありませんか? 実は今の防災常識では、これは間違い(優先順位が低い)とされています。
今の正解は、「火は無視して、まずは机の下に隠れる(身を守る)」です。
なぜ変わったのか? それには2つの理由があります。
理由①:人命を守るため 揺れている最中に慌ててキッチンに走ると、沸騰したお鍋のお湯をかぶって火傷をしたり、棚から落ちてきた食器で怪我をしたりするリスクが高いからです。
理由②:優秀な「ガードマン」がいるから これが一番の理由です。 今のガスメーター(マイコンメーター)には、「震度5相当以上の揺れを感じたら、自動でガスを止める」という機能が標準装備されています。
つまり、あなたが命がけで火を消しに行かなくても、家の外にいるメーターが、勝手に火を消してくれているんです。 だから、安心してまずは自分の命を守ってください。
本当に怖いのは「揺れが収まった後」
「じゃあ、ガスに関しては何も心配しなくていいの?」 というと、そうではありません。 配送員として一番注意してほしいのは、「揺れが収まった直後の行動」です。
もし、家の外や台所から「シューッ」という音が聞こえたり、強烈なガスの臭いがしたりする場合。 それは配管が折れて、ガスが吹き出している緊急事態です。
この時、絶対にやってはいけないのが「家の中に留まること」です。 よく「窓を開けて換気を」と言われますが、音がするほどのガス漏れなら、そんな余裕はありません。窓を開ける時の摩擦や振動で火花が飛び、それに引火する可能性すらあります。
【正しい避難後のアクション(命を守る鉄則)】
- 「シュー」という音や、強い臭いがする。
- 何も触らない(電気スイッチはもちろん、窓も開けなくていい)。
- とにかく家の外へ逃げる(避難)。
- 安全な場所(屋外)から、すぐにガス会社へ連絡する。
「もしかして?」と思ったら、確認なんてしなくていいです。 家を捨てて、体ひとつで逃げてください。 ガスは充満すると、静電気ひとつで爆発します。プロである私たちでも、その状態の現場には防護なしでは近づきません。
「ボンベが錆びていても大丈夫なの?」
あと、配送に行くとにこんなことを聞かれることもあります、「今回のボンベ、ちょっと錆びてない? 古そうだけど大丈夫?」と心配されることがあります。 玄関先や裏口など、目立つ場所に置くこともあるので、見た目は気になりますよね。
でも、安心してください。 プロパンガスのボンベには、車検と同じように「厳しい検査」が法律で義務付けられています。
自分たちが配送センターで充填(ガス詰め)をする時、期限が切れていないか、危険な傷がないかを毎回チェックしています。 もし検査の期限が切れていれば、専門の工場に送って、高い圧力をかけて検査をし、合格したものだけがまた皆さんの家に運ばれます。
だから、たとえ表面が雨風で少し錆びていたとしても、ボンベ容器の強度は保証付きなんです。
まとめ:機械を信じて、まずは逃げて!
プロパンガスの設備は、阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓を経て、ものすごく進化しています。 ボンベは倒れても鎖で繋がれていますし、メーターは揺れを感じて瞬時にガスを遮断します。
「ガスは機械が止めてくれる。だから自分は身を守る。」
そして、揺れが収まった後のルールは一つです。
- ガス臭い・音がする・ボンベが倒れている: 絶対に復帰ボタンを押さないでください。 すぐに逃げてガス会社へ連絡してください。
- ガス臭くない・異常がない: ここで初めて、メーターの復帰操作を行ってください。
メーターの液晶に「B」や「C」の表示が出ていたら、それはメーターが正常に働いて、あなたを守ってくれた証拠です。 周囲の安全を確認してから、落ち着いて復帰させてくださいね。
ガス会社は24時間365日、皆さんの安全を見守っています。少しでも不安な時は、遠慮なく連絡してくださいね。それが自分たちプロの仕事ですから。
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